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健康的な食生活は
「主食・主菜・副菜+油」
:最新の栄養学から

インタビュー

一般社団法人臨床栄養実践協会理事長
せんぽ東京高輪病院名誉栄養管理室長 足立香代子

栄養学が進歩を続けるなか、これまでの常識が見直されつつあります。その一方、そうした情報が広く知られていないため、それ以前の情報が正しいと誤解を持ち続ける人も多くいることでしょう。そうした状況をよく知る足立香代子先生より、“食品で最も誤解されている”という「油」について、最新の栄養学に基づいたメリットとその活用の考え方について、お話をうかがいました。(2017.1.13インタビュー1)

油は健康の敵ではない。もっと油を摂るべき。

私は長年、管理栄養士を務めてきたなかで、現在最も誤解を受けている栄養素が「脂質」、食品は「油」であると考えています。欧米型の食生活が定着し、脂質の摂取量が増えたことにより、肥満や生活習慣病が増えたと考えられていました。そして、すべての油が肥満を促し、血中のコレステロールを上げ、動脈硬化の原因になるといわれてきました。
しかし近年の栄養学の進歩から、肥満は脂質よりも糖質の摂りすぎが問題であること、脂質だけを摂取しても血糖や中性脂肪を上げないこと、さらに油によってコレステロールを上げるケースは少なく、逆にコレステロールを下げる油があることもわかっています。また脂質は、三大栄養素に含まれる重要な栄養素で、肌や髪を健康に保ち、脳や神経の働きを支えることに加えて、ビタミンなどの栄養素の吸収を助けてくれています。しかし、これらのことがわかっているにも関わらず、それ以前の情報にとらわれて、“健康のために”と、油を避ける人が多いのが現状です。私はそれが大きな問題であると考えてきました。
厚生労働省は脂質摂取量の目標値を、総エネルギーに占める割合の20~30%としています。これに対して、近年の「国民健康・栄養調査」の結果を見ると、50歳以上では20%に達していない人が増加し、特に70歳以上では3人に1人が脂質摂取量の目標値に届きません。またそれより下の世代は一見目標値をオーバーしている割合が多いと思われるかもしれませんが、脂質摂取量を見ると望ましい目安量を下回っています。つまり、過剰に摂りすぎている人が一部存在するものの、全体で見ると、油の摂りすぎとはいえないのです。
油=メタボの原因と思われがちですが、決してそんなことはありません。油にはさまざまな利点があるのです。最新の栄養学から本当のよさを知っていただき、もっと積極的に油を活用していただきたいと思います。

油は上手に摂れば、
肥満や低栄養を予防したい人の体を適正に保つ。

油にはさまざまな効果がありますが、ひとつは、健康的なダイエットをサポートすることです。意外に思われるかもしれませんが、油を上手に取り入れることによって、1日の食事の総摂取カロリーを減らすことができます。例えば、昼食にラーメンライスなど糖質を主としたものを食べると、食後に血糖値が急激に上がります。そしてその後、反動で血糖値は急激に下がります。この状態になると強い空腹感に襲われてしまい、夕食を必要以上に食べ過ぎてしまうのです。しかし昼食で油をしっかりと使った食事を食べると、食後の血糖値の上昇とその後の低下が緩やかになり、腹持ちがよくなります。そして空腹感が抑えられるため、夕食を食べ過ぎずにすむのです。また、夜寝る前におなかが減るという人は、夕食で食べている油の量を見直すべきです。このように、油を取り入れることで1日の総摂取カロリーが減り、それが健康的なダイエットにつながるのです。
もうひとつ、長寿社会の日本にもたらす効果が、低栄養になってやせてはいけない高齢者の体を保つことです。高齢者は食が細くなることが多いため、量を食べることができません。そして年齢を重ねるほど健康に気をつける傾向が強くなり、「油は悪い」と誤解している人ほど“健康のために”脂質の摂取量を減少させてしまいます。しかし、1グラムで9kcalを摂れる油は、少ない量で多くのカロリーを摂れるため、高齢者の低栄養対策に有効に働き、健康に保つことができるのです。
油に共通する特徴である「食後の血糖値を上げないこと」と、「少ない量で多くのカロリーが得られること」──この二つの特徴を生かすことで、太りたくない人たちのダイエットを健康的にサポートし、やせてはいけない高齢者の体を保つという一見相反する効果を、油はもたらしてくれるのです。

健康的な食生活は「主食・主菜・副菜」に「+油」。
血糖値を上げすぎないために
「油を使ったおかずを最初に食べる」。

栄養学の進歩により変わる常識がある一方、変わらない常識もあります。それが何かひとつの食品だけを食べればよいという“これだけ健康法”はないということです。多種類の食品を食べると、数多くの栄養素が摂れるため、バランスのよい食生活が実現できます。私が言ってきた食事指導の基本は魚、肉、大豆、乳製品、それに加えて「油」もバランスよく毎食取り入れることです。
そして食事の食べ方でポイントになることが、食後の血糖値を上げないために、ドレッシングをたっぷりかけたサラダや揚げ物など“油を使った料理から先に食べる”ことです。前述しましたが食後に血糖値が急上昇すると、その後に急下降を招きます。この状態は「血糖値スパイク」と呼ばれ、これを激しく繰り返すと重要な血管が傷つき、さまざまな病気を招く危険性があることがわかっているのです。油が入っていないサラダを食べても、食べる順番にかかわらず、食後急激に血糖値が上がり、180分後には急激に下降します。一方、油の入ったサラダを一緒に食べると、食後の血糖値の上昇とその後の下降が緩やかになります。さらに油の入ったサラダから先に食べると、食後の血糖値の変動はさらに緩やかになるのです。
さらに、食後高血糖を防ぐためのもう一つの食べ方が“早食いを行わない”ことです。早食いは同じ食事を食べても食後の血糖値がより高く上がるため、少なくとも20分は掛けるほうがよいのです。
みなさんも「主食・主菜・副菜」に「油」を加えることを意識してみてください。

インタビュー2 『現代人に不足しがちな「n-3不飽和脂肪酸」と「中鎖脂肪酸」』に続く。


足立香代子 先生 (あだち・かよこ)

一般社団法人臨床栄養実践協会理事長
せんぽ東京高輪病院名誉栄養管理室長

中京短期大学家政科食物栄養専攻卒業後、医療法人病院を経てせんぽ東京高輪病院(現・東京高輪病院)に勤務。2014年、一般社団法人臨床栄養実践協会を発足。長年の臨床経験を活かし、年間100回を超える講演会を通して管理栄養士の育成にも力を注ぐ。メディアへの出演も多数。主な受賞に、日本栄養改善学会賞(1994年、2001年)、厚生労働大臣賞(2003年)、日本栄養士会功労賞(2008年)、日本臨床栄養学会教育賞(2008年)ほか。主な著書に「油はすごい。」(毎日新聞出版)、「太らない間食」(文響社)、「足立香代子の実践栄養管理パーフェクトマスター」(学研めでぃかる秀潤社)、『日本一おいしい病院ごはんを目指す! せんぽ東京高輪病院500kcal台のけんこう定食」(ワニブックス)、「決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典」(西東社)ほか。

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